みなさん、「ウッドショック」という言葉を聞いたことがありますか?

第三次ウッドショックって何?私たちに何か影響があるの?
聞き慣れない言葉で、多くの要因を含む事ではありますが、特に家づくりを検討されている方には、是非知っていただきたい、地球規模の大きなテーマです。
また、知っている事で今すぐ対応できる事があります。
桧家住宅名古屋の吉住がお伝えさせて頂きます。

家づくりを検討している方にも関係がある

第三次ウッドショックについては、この後噛み砕いてご説明をさせていただきますが、家づくりをされている方に具体的にどんな影響が懸念されるかというと、

例えばですが、

・住宅会社から契約後に一方的に単価アップの申し出がある
・上棟の予定が無期延期になる

といった事かと思います。

このブログをご覧いただき、不安をお持ちになった方がいらっしゃれば必ず建築会社の担当者さんへご確認下さい。
将来的なトラブルの回避が出来るように、出来れば書面を通して、合意・特約事項を交わしておかれる事をお勧めします。

突如始まった「第三次ウッドショック」

新型コロナウイルスの感染拡大で3度目の緊急事態宣言下にある中、住宅業界に突如激震を起こした「第三次ウッドショック」
まさに「大惨事(だいさんじ)ウッドショック」になりかねない、深刻な問題です。

住宅の構造上、主要な部分といえば、柱や梁(はり)。
その柱や梁に使われる輸入木材の需要と供給のバランスが差し迫った事態になっています。

木材の価格が高騰し、大きな混乱が生じているのです。
表面化し始めたのは、2021年の3月に入ってからでした。
元はと言えば木材の輸入が滞ったことから、この問題は始まっています。

第三次ウッドショックの大きな要因

第三次ウッドショックの要因は大きく2つあります。

一つ目の要因は、アメリカの旺盛な住宅需要。
もう一つの要因は、コロナの感染拡大を早期に抑えた、中国の影響です。

①アメリカの住宅需要の増加

住宅着工件数が、リーマン・ショック前の2006年以来の高水準となっているようです。
また、コロナウィルスの感染拡大が続く中、人々の生活には大きな変化がありました。
都心部に集中していた生活の基点が、テレワーク中心の働き方が浸透した事により、郊外に分散した事です。

加えて、歴史的と言っていいほど低水準の、住宅ローン金利。
コロナショックによる株高で、資産を膨らませた富裕層による、購入意欲の増進など。
様々な背景によって、住宅需要が一気に高まりました。

2021年2月時点で、アメリカの木材は、コロナ禍に入る以前の、約2.5倍もの価格になっているようです。

②中国の影響

中国は世界でも最大の、産業用丸太の輸入国。
2018年には、世界の43%もの丸太を輸入しています。
そんな中国で、経済の回復への期待から、さらに木材需要が増しています。

世界的に木材需要が一気に高まり、十分に供給できない背景があるのです。

他にも、たくさんの要因があります。
コロナウィルス感染拡大の脅威の中、短時間勤務の推進により、木材の伐採を行う労働力・製材工場の稼働率が減少しています。
加えて、キクイムシという木が大好物の害虫による森林被害。
巣ごもり需要により、ネットショッピングに対応するコンテナの物流が、一気に増えた事。
港湾の労働者不足も相まって、海上輸送が滞っています。
ちょうど時を同じくして起こった、エジプトのスエズ運河で日本のコンテナ運搬船が座礁してしまった事故も、この混乱に拍車をかけました。

木材と海上運搬における需要と供給のバランスが、世界的に大きく崩れているのです。

ヨーロッパでも、住宅需要の増加のみならず、DIYの人気が高まり、やはり木材が所望されています。
東南アジアでは、コロナウィルスの感染拡大を阻止するため、インドネシアの入国規制。
これによって、インドネシア内の工場や、コンテナ運搬船で活躍する、外国人の労働力が枯渇しているようです。
ニュージーランドでは、自然保護の観点から、持続可能な伐採を実現すべく、一時的に国有地の木材の伐採を禁止。

このように、多くの要因が相まって、第三次ウッドショックは引き起こされました。

日本で受ける影響

全国各地にある木材卸会社や製材・加工会社は、3月上旬から4月にかけて、大きな混乱に飲み込まれました。
取引先である地域の工務店やビルダーには、輸入木材の納品遅延のお詫び、今後の見通し、値上げなどに関する通知書が、相次いで届いているようです。

日本の木材の自給率は2019年で37.8%。つまり約6割は、輸入に頼ってきたということです。

ウッドショックによって、木材が調達できない。
上棟ができず、工期が大幅に遅れる。
単価を上げざるを得ない。
収入と支出のバランスが圧迫される。

という悲鳴が、様々なところで上がっているようです。

ウッドショックをきっかけに考える、日本の未来

1棟の家つくりに携わる協力業者様は、100業者以上。
解体業者さん、外構業者さん、水道業者さん、大工さん、電気業者さん、設備業者さん、クロス業者さん、外壁業者さん等々、多くの業者に携わっていただいている中、まだまだ表面化し始めたばかりの、このウッドショック。

想像すると恐ろしくなるほど、ここからが深刻な問題になってくる可能性があります。
だからこそ今のうちに、家づくりを計画されているご家族には、建築会社の担当者へご確認をいただきたいのと書面をとおしての合意書・特約事項を交わしておいていただきたいのです。

自然豊かな日本でありながらも、価格重視、ローコスト重視で輸入材に頼ってきた影響が、大きく出てしまっていると言わざるを得ない状況だと感じます。
ウッドショックの打開策として、国産材の供給を急に増やすんだ!と言われても、すぐに対応できるものでもありませんよね。
木材は、森林に木を植えて間伐しながら育て、伐採します。
搬出にあたっては、製材、乾燥、加工、品質検査、そして流通というように、何十年という長きにわたるサイクルで計画的に生産しています。

今後、このウッドショックの影響はいつまで続くのか?

SDGs「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」が謳われ、世界的に環境や労働問題への意識が高まる今の時代だからこそ森林大国である日本で、このウッドショックをきっかけに、国産材に注目が集まり、林業が成長産業になるといいなと願っています。

(日本経済新聞より、一部抜粋)