皆さん、こんにちは。 桧家住宅名古屋 設計部の桑原です。
皆さんは、「吹き抜け」について、どんなイメージがありますか?

リビングの背の高い天井と大きな窓は、オシャレな憧れの空間?
くつろげる開放的な空間?
それとも、遊べるアクティブな空間でしょうか。

今回は、様々な可能性のある「吹き抜け」の、メリットとデメリットについてお話ししたいと思います。

メリット1「広い空間」

1階から2階まで伸びる吹き抜け空間。
リビング上部に吹き抜けを配置して、吹き抜けの高さを2階の天井までとした場合、その高さはリビングの床から5m以上ある事がほとんどです。
天井が高い空間は部屋を広く感じさせてくれます。
もともとLDKは広い空間である事が多いので、天井が高くなる事によって、実際の床面積よりも、さらに広い空間に感じる事ができます。

メリット2「明るい」

吹き抜けは、部屋に光を取り込むのに、とても有効的です。
吹き抜けに大きな窓を付けると、たくさんの光を室内に入れる事が出来ます。
高い位置の窓は、室内の奥にまで光を届けるのです。
その光によって、広いLDKが、ぐっと明るくなります。

さらに、部屋の中の大きな窓ガラスから外の景色が広がる事により、開放感が増します。
特に、隣地建物が近いなど、1階の部屋の窓から光を確保しにくい場合にも、吹き抜けは有効的です。
2階の光を確保できる位置に窓を配置する事で、そこからの光が1階まで注ぎ、室内を明るくするのです。
家の中に、出来るだけ多くの光を取り込む工夫として、吹き抜けを有効活用してみるのはいかがでしょうか?

ここで一つ、 吹き抜けに窓を施す際の要注意ポイントです。
リビングから吹き抜け窓を見上げたら、見えたのは青空ではなく、屋根の裏側なんて事にならないように、とにかく配置を気をつけましょう。
また、吹き抜けの窓が透明ガラスですと、夜には外から室内が見えてしまいます。窓とカーテンの計画にも、工夫が必要です。
吹き抜け窓は目線が届かない高さである場合が多いので、実際の生活イメ ージと重ねながら考える事が特に大切です。

メリット3「気配がつながる」

上下階をつなげる吹き抜け空間は、1階と2階にいる家族の「気配」をつなげます。
吹き抜けを介して、親子で声をかけ合ったり、お互いの存在を感じ合ったり。
空間と空間をつなげるだけでなく、人と人の心の距離をつなげる事も、吹き抜けの可能性です。

吹き抜けに面している2階の部屋に、吹き抜けを覗ける小窓をつくってみても いいかもしれません。
また、吹き抜けの壁や天井の高さを活かして、ボルダリングをしたり、ハンモックを 掛けたり、エアリアルヨガをしたり。

吹き抜け空間がある事によって、様々なコミュニケーションができそうです。

 

具体的に検討される方のために、ここからは、デメリットについてもお伝えさせて頂きます。

デメリット1「温度差」

吹き抜けのような背の高い室内空間は、その高低差によって室内の温度差が生じます。
暖かい空気は上方へ。 冷たい空気は下方へ。これは自然の摂理です。
せっかくのリビングの暖かさも、上の方に集まってしまいます。
これでは暖房効率も良くありません。

この温度差を軽減するために、吹き抜けの天井にシーリングファンを付けて、偏った温度差を上下に動かします。
そうする事で室内の快適性が上がります。

ここで要注意ポイントです。
吹き抜けにシーリングファンを付ける場合は、照明計画に気を配りましょう。
チラチラと動くファンの影の動きが不快にならないように、注意が必要です。

デメリット2「掃除・メンテナンス」

吹き抜けの窓、カーテン、シーリングファン、照明器具など。
吹き抜けにつけた事によって、踏み台に載って手を伸ばしたくらいでは届かなくなってしまうモノもあります。

自分では窓の掃除もできない。カーテンも取り外せない。シーリングファンや照明器具の掃除、メンテナンスもできない。
と、これでは困ってしまいます。

最初から掃除やメンテナンスが出来る吹き抜けを計画してみるのもいいかもしれません。

デメリット3「構造」

吹き抜けは、建物の構造的な強さを、どうしても弱くしてしまいます。
建物の構造的な強さは、柱や梁や壁だけでなく、実は床面でも確保しています。
その床面に大きな穴をあけてしまう吹き抜けは、当然のことながら構造的にはマイナスです。

しかし、だからと言って吹き抜けが必ずしもダメと言うわけではありません。
吹き抜けを配置する位置や大きさを考慮して、そのまわりも、構造的に補強をする。
吹き抜けに、梁や火打ち梁を入れるというのも方法の一つです。

せっかく梁を見せるのなら、木質感を出したり、塗装してカッコよく見せたりしてみましょう。
吹き抜けがより映える空間になります。

 

最後に1つ、吹き抜けの大きなメリットをお伝えします。

将来の可変性

吹き抜けは、将来的に部屋にする事も可能です。
リフォーム工事で簡単に吹き抜けを部屋に変える事が出来るのです。
その準備として、床が載っても大丈夫なよう、構造に考慮し、しっかりした梁組みをしておきましょう。

長い目で見れば、家族のライフスタイルは必ず変わっていきます。
その変化に合わせて間取りに可変性をもたせる事も大切。
その一つとして、吹き抜けも活用してみましょう。

吹き抜けは、家づくりの間取りにも、大きく関わってくる部分です。
間取りの計画をする初期の段階から、吹き抜けのメリットとデメリットを考えていきましょう。

光を家の中に有効的に取り込むために、敷地のまわりの環境にも注目する必要があります。
吹き抜けは、床にできる空間を、あえて空間のまま活用する、とっても贅沢な空間です。
ご検討中の方は、今回の内容も参考にしていただき、ぜひ素敵な吹き抜けライフをお送りください。